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ネムリヒメ.

第13章 シャンパン☆ストロベリー.





…………………



都心のきらびやかな夜景を横に、車は颯爽と首都高に乗り湾岸線へと入る


アタシは助手席でイチゴの入った木箱を抱え、ひとつを手に取り隣の運転席でハンドルを握る彼の口に入れた


アタシを乗せた真っ赤なオープンタイプのスポーツカー

膝の上には都内の高級フルーツの老舗で買ったとされる桐の木箱に入った大粒のイチゴ・あまおう


「っ♪ …ね、なんでそれ "あまおう" って言うか知ってる?」

「…えっと、赤くて、丸くて、大きくて…なんだっけ?」

「ん、"うまい" かな♪ ちょっと酸味あるけど、そこがなんかイチゴっぽくて好きかな」


アタシが口に入れたイチゴを美味しそうに頬張り、左側でハンドルを切りながら目を細めるのは彼…


…葵くん


「でもオレ、イチゴよりちーちゃんのほうが好きだけど」


彼は運転席から右手を伸ばし、アタシの髪をクシャッとなでる


「あ…えっと…」

「あははっ」

「イチゴと比べられても困る…よ」

「かわいいっ」


いつもなら背中が痒くなるような彼のリップサービスもなんだか今夜はなんだか心地がいい

…たぶん顔真っ赤だけど


そんなアタシたちが平日のこの時間どこに向かっているかというと、海…

でも、海は海でもただの海じゃなくて…





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