ネムリヒメ.
第3章 無くしたモノ.
…………
「…………それ…記憶障害かも…」
しばらく続いた長い沈黙を破ったのは聖のその言葉だった
「…っ!! 記憶障害って…まさか」
「ほら、事故とかトラウマとかで記憶が欠落しちゃうヤツ」
「それは知ってるけど」
彼の言葉に渚と葵は耳をうたがった
「実際に彼女と話してみないとわからないけど…
"きのうのコト"を考えると、おそらく心因性の…」
「……」
「きのう…彼女、大変な目にあったもんね…」
壁に寄りかかって俯いたまま葵が呟く
「…ねぇ、渚くん」
聖の訪ねるような声に渚が顔をあげる
「確認するけど、きのうの夜………あれから彼女の記憶に蓋するようなコト、してないよね?」
「………」
ぁ…
「ナギ!?」
「渚くん!?」
ハッとした渚の目の色が変わるのをふたりは見逃さなかった
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