テキストサイズ

ネムリヒメ.

第3章 無くしたモノ.














「……………抱いた」





「「はぁぁぁ!?」」


ふたりの大きな声がダイニングに響き渡った



「ちょっとナギー!? あんなコトあったあとに抱くとか どういう神経してんの?」


渚の胸元を掴んで葵が突っかかる


「あは、まあまあ」


それをちょっと楽しそうに見ている聖


「葵、離せ…きのうアイツを抱いたのは、アイツの意思だ」

「っ…」


渚の強い眼差しに葵が手を緩める



「んー、渚くんに抱かれるコトで記憶に蓋しちゃったのかなー」


「………」


そして再び訪れる重たい沈黙…




「…ねぇ、とにかく食事にしよ 話はそれから、ね」


聖がニッコリ微笑むと張りつめていた空気が少し緩んだ


「オレお腹ペコペコなんだよね、葵くん早くしてくんない」

「あーもぅ、お前ねー…」


テーブルに突っ伏してジタバタする聖の頬を葵がつねる


「…ナギはちーちゃん連れといでよ、すぐできるから」

「んっ…」


渚は葵に軽く返事をするとダイニングを出た





ストーリーメニュー

TOPTOPへ