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ネムリヒメ.

第15章 イチゴタルト.





「え…あ……聖くん!?」


待って、待って、待って!!

しかし、彼の瞳を前にできるのは繰り返す瞬きだけで…


反省はっ!?反省はっ!?

そう大きく叫んだのは胸のなかだった


そんなアタシに聖くんがスっと目を細める

ジワジワと間合いを詰めてくる彼のビスクドールのような綺麗な顔…


心臓が…心臓が……!!


渚くんにも葵くんにも散々翻弄されて鍛えられてるはずなのに、掴めなさすぎる彼のせいなのかドキドキが痛いくらいで


「あはっ、反省は!?…って思ってるでしょ」

「……っ」


やっぱり読心術もってるよね、聖くん

見透かしたように微笑むと彼は唇を寄せる


チュッと音をたてられペロリと唇を舐められる

それでもまだ離してもらえなくて、彼は唇がうっすらと触れたままゆっくりと口を開いた


「ちゃんと反省はしたけど、その代わりにゴメンねはしないよ…」

「…………!?」


どういうコト!?

そう聞きたいけれど、口を動かせば明らかに自分から唇を重ねてしまうこの状態…

恥ずかしくてできない……

そんなアタシをも彼は見抜いてるんだろう

聖くんが栗色の瞳を光らせながら言葉を続ける


「あの時、ちーちゃんも聞いてたでしょ!? 欲しくなっちゃったんだよね…オレも」


重なる唇にドキドキし過ぎて、頭が真っ白になる




「楓くんに縛られて誰にも揺らがないちーちゃんのココロが…」





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