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ネムリヒメ.

第3章 無くしたモノ.





「ねぇ、ちーちゃん」

肩を落としていると、今まで黙っていた葵くんの声がして顔をあげる


「聖ね…ヘラヘラしてるし、なに考えてるかよくわかんないけど、こう見えてそこらへんの類いに結構明るいから安心して話して大丈夫だよ」

「ぇ…葵、それ よくわかんないけどフォローになってんの!?」

「そうそう♪ 葵くんのよくわかんない個人的意見はおいといて、任せて任せてー♪」


葵くんと渚くんのふたりのやりとりにヘラっと笑う聖くん


三人の会話になんだか可笑しくなった


「ん、ありがとう」


やたら『よくわかんない』を連呼してるけど、みんな心配してくれてるのはよくわかったから、ちょっとだけ気持ちが楽になる


「じゃ、質問を変えるね」

「うん」


「今度は逆にきのうのコトで覚えてるコトを教えて?」


きのう…覚えてるコト…


「空港……それから…」


そう、それから…

ハッとして顔をあげると、目の前で椅子に浅く腰かけ 背もたれにカラダを預けながら優雅にコーヒーを飲んでいる渚くんの姿が飛び込んでくる




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