
雨雲の向こう
第1章 0話
汗水垂らしてしんどい事するより、こっちの方が楽じゃん…と、その頃の俺は浅い考えでしてた。
まぁ、それが功を成してかは分からないが、高校の最後の3年の春に、クラスでそんなに話したことのない奴に告白された。
しかも男だ。
別に俺自身は良かったのだが、付き合ってみると厄介厄介…
SEXの時はまだいいんだが、好きだの愛してるだの、他の男とするなや、誰にも触らせるなやら…
俺からすれば、その伝手がなければ学校は愚か、生活も出来ないと言うのに…
こいつは何も分かっていなかった。
ただ、俺を独占したいだけなだけで、
その気持ちはあの時の俺には、重くて面倒で、何よりも煩わしかった。
そして俺は肌寒くなり始めた頃にそいつを振った。
確か、重いとかめんどいとか…他にも酷いことを言った気がする。
しばらくは何か言ってきてたが、無視を続けてたら来なくなって。
卒業する一週間前にそいつは飛び降り自殺をした。
