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お嬢様♡レッスン

第116章 雲の上で×××

その姿も堪らなく愛しい。

綾芽はじっと自分を見つめる葛城の視線に気付くと、食べる手を止めて彼を見つめ返した。

「食べないんですか?」

「ふふっ。貴女をこうして間近で見ているだけで、胸がいっぱいで食事が喉を通りません」

「駄目ですよ?美味しいですから召し上がって下さい」

「それでは…、食べさせてくれますか?」

「もう!仕方が無いですね」

以前の綾芽だったら、恥じらっていたところであるが、今の彼女は何の躊躇いもなく、サーモンを切り分けると、ニッコリと笑ってそれを彼の口元に差し出した。

「はい。あ~ん」

これには葛城が赤面した。

(これは…成長と呼ぶべきなのだろうか?それとも…ロートマン家では普通にこんな事を!?)

「慎吾さん?」

「あ…すみません…」

葛城はモヤモヤした気持ちで差し出されたサーモンを口にした。

脂の程良くのったサーモンが、口の中で溶ける。

「成程、これは美味ですね」

「でしょう?どちらの物なのか後で聞いてみましょうね!」

彼女はそう言うと、美味しそうにそれを平らげた。

食後のエスプレッソを頂きながら、葛城は疑問に思った事を口にする。

「綾芽?ロートマン家では、食べさせ合ったりしていたのですか?」

「え?ええと…何度かはありますけど…。でもっ!今、そういう事をしたいのは慎吾さんだけです」

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