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お嬢様♡レッスン

第117章 慌ただしい日々

綾芽達が空港に降り立つと、黒崎(父)の運転する車で、高月と白河が迎えに来ていた。

たった2カ月程度、会わなかっただけであるのに、もう何年も会っていなかったような懐かしさが込み上げる。

「お帰りをお待ちしておりました」

そう言って高月と黒崎は頭を下げると綾芽は、瞳を潤ませながらも笑顔で『只今戻りました』と言ってから、二人に抱き付いた。

白河は自分にも抱き付いて貰える等、思ってもみなかったので、目を丸くしている。

そんな様子を葛城はクスリと笑って見ていた。

四人は車に乗り込むと、東乃宮邸へと向かう。

「旦那様からお話は伺っております。現在、各方面にはスケジュールの確認をしております。それから、こちらが婚礼衣装のデザインを担当するデザイナーの候補者リストです」

そう言うと高月は、有名デザイナーの名前が連なったリストを綾芽に手渡す。

「こんなに!?」

「私達の大切なお嬢様の結婚式ですから、これでも吟味したのですよ?」

そう言って高月がにっこりと綾芽に笑顔を向ける。

「邸の皆もはりきっております。結婚式に相応しい式場となるよう、柳瀬も張り切って造園しております」

皆が綾芽の為に一丸となって、結婚式に向けて一斉に準備を始めたのだと高月は言う。

それが何だか擽ったくもあり、嬉しくもあった。

たった数カ月を一緒に過ごしただけであるのに、皆が自分を愛してくれているのだと思うと、熱い物が込み上げてくる。

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