テキストサイズ

お嬢様♡レッスン

第18章 Lesson 7♥知識を増やしましょう

欲棒の先からは透明な液体が滲んでいる。

あと少しで昇り詰める。

そう感じた時だった。

“コンコン!”

扉をノックする音がした。

「───っ!!!」

「お兄ちゃん?居るの?入るわね」

そう言って、黒崎の返事も待たずに綾芽が執事室の扉を開けた。

「あっ!」

黒崎の小さな叫びと共に、それは吐き出された。

「えっ!?」

綾芽は黒崎の姿に驚く。

ベッドの上に座り、自身を握り締めている彼の姿に。

『見てはいけない物を見てしまった』と瞬時に綾芽は思った。

「あ…、ご、ごめんなさい!お薬持って来たの!お兄ちゃん、熱があるみたいだったから!これ、お薬。ここに置くね!」

少しぎくしゃくしながら、近くのテーブルに薬と水の入ったグラスを載せた盆を置くと、またぎくしゃくと入口に戻ろうと脚を動かす。

黒崎は放心状態でそれを見ていた。

綾芽がパタンと扉を閉めた音で我に返る。

その瞬間、黒崎はパニックに陥った。

(やっべぇ!見られたっ!お嬢様の事思い出してオナニーしてるとこ見られちまった!!!)

「あああああっ!!!」

頭を抱え、力のなくなった逸物をブラブラとさせながら、うろうろと歩き回る。

黒崎の叫びを綾芽は廊下で聞き、その声の大きさに身体がビクリと驚きに震えた。

ここ数日間で色々あった綾芽だが、男性の自慰行為を見たのは初めてだった。

あれがそうだと脳が判断した瞬間、綾芽の心臓はバクバクと鳴り出した。

(どうして隠れてあんな事を?)

綾芽の教育の一環として、綾芽に対し性行為をする事は認められている。

にも関わらず、黒崎は綾芽を抱く事はせず、自分で処理をしていた。

それが綾芽には理解出来なかった。

勿論、好きな人しか抱きたくない男性も居るだろうし、認められているいるが、強制ではない為、自由なのではあるが。

(私の魅力が足りないって事?)

別に抱かれたい訳ではないが、足りないのであれば自分を磨くしかない。

東乃宮のトップに立つのが運命なら、そのトップとして、なるべく多くの人を味方に付けなければならない。

人脈を広げる為に、自分に興味を持って貰う事は重要な事。

それは性的な意味ばかりではなく、人としても同じだ。

だから、知識は幅広い方が良い。

どんな会話でも対応出来る柔軟性。

その為には、色んな事に興味を持って見聞を広げる事。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ