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お嬢様♡レッスン

第118章 Last Lesson♥幸せになりましょう

「慎吾さんには、もうお会いになった?」

「ああ、こちらに案内される前に寄って来たよ。何で自分より僕達の方が綾芽のドレス姿を見るんだー!!なんて怒っていたけど…」

そう言って笑うウィリアム。

「フレデリクは莉玖には逢った?」

「うん。逢って来たよ。御者をするんでしょ?何か緊張していたよ」

フレデリクは莉玖の緊張した顔を思い出して笑いながら答えた。

「十分幸せだと思うけれど、それ以上に幸せになるんだよ」

そう言うとウィリアムとフレデリクは綾芽の頬に口付けを贈る。

「有難う。約束するわ。私、幸せになります。そして、早く二人にもそのおすそ分けが出来るように頑張るわね?」

綾芽はそう言うとウィンクして見せた。

「ふふっ。待ってるよ」

「じゃあ、僕達は先に会場で待っているから…」

ロートマン兄弟が部屋を出て行くと、恵莉奈も『私もそろそろ行くわ』と言って部屋を後にした。

それと入れ違いに、莉玖が部屋へと入って来る。

心なしか顔が緊張で強張っていた。

「莉玖?大丈夫?」

綾芽がそう言って莉玖の両頬を掌で包む。

「ん…多分…大丈…夫」

「こら!しっかりしなさい!!」

ガチガチの莉玖の背中を安岡が”バン!”と叩くと、彼は思わず咽た。

「ちょっ!安岡さん、強く叩き過ぎじゃない?」

「これくらい気合入れないと!!今日は大事なお嬢様の結婚式ですから!!」

そう言って安岡女史はニカっと笑った。

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