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「それでは、新婦の綾芽さんからもお願い致します」

恵莉奈に促されると綾芽も頷き、参列者を見回しながら、誓いの言葉を述べた。

──お忙しい中、私達の為に遠くからお越し頂きまして、誠に有難うございます。

私は、ここに居る慎吾さんが迎えに来てくれるまで、自分がこの様な大きなグループの総裁の孫である事は知りませんでした。

普通の一般的なサラリーマンの家庭から、突然大きなお邸へと引き取られ、東乃宮の一員として相応しい人間になるように教育を受けろと言われて、戸惑いました。

それをお祖父様を始めとする、邸で働いている皆さんが支えて下さいました事、心から感謝しております。

そして、一番身近で支えてくれた、私の執事達、５人にも心から礼を言います。

慎吾さんは、色々な事を私に教えて下さいました。

礼儀作法や立ち振る舞い、グループを背負う為の心構え…。

そして人を愛する気持ちと愛される幸せ。

本当に多くの事を彼から学びました。

私の我侭から、彼と離れて暮らしていた時も、私を信じ変わらぬ愛を注いでくれました。

私は彼を尊敬し、そして心から愛しております。

この先、また色々な事が起こるかもしれませんが、二人で支え合い、愛し合いながら、歩んで行きたいと思います。

どうか皆様、私達を見守り、ご指導下さい。

そして命の続く限り、いえ、命の炎が燃え尽きた後も…

永遠に彼を愛し続ける事を皆様の前で誓います───

綾芽はそう言うと微笑みながら、皆の前で頭を下げる。