
お嬢様♡レッスン
第123章 【番外編】執事の受難
「シラカワ、色々振り回してゴメン」
ダグラスは、今日の事を白河に謝る。白河はその言葉に、微笑んで首を横に振った。
「とんでもございません。それより楽しんで頂けましたでしょうか?」
「うん。とっても楽しかったよ!ますます日本が好きになったよ」
「それは良うございました。また是非いらして下さい」
「有難う。またシラカワを振り回すかも知れないよ?」
そう言ってダグラスが笑うと、白河は笑って『次までにもっと体力を付けておきます』と答えた。
ダグラスは、そんな二人の会話を聞いていたフレデリクに向き直ると、今度は彼に向かって謝罪する。
「気にしないでよ。結構、僕も楽しんだから」
そう言ってフレデリクが微笑む。
「でも、やっぱり僕にはダグラスの世界は理解できないけどね?」
「ええ⁉ どこら辺が?」
そんな事を言い合っていると、いつの間にか東乃宮邸に着いていた。
彼等が車を降りると、玄関先で綾芽や葛城、別行動だった兄とヘンリー、そして東乃宮邸の使用人達が迎えてくれる。
「お帰りなさい。フレデリク、ダグラス。楽しかった?」
そう言って綾芽が笑顔で尋ねると、二人は顔を見合わせてから、満面の笑みを浮かべて大きく頷いた。
その二人の様子に、今日一日彼等に付き従った白河はホッと胸を撫で下ろした。
彼等が邸の中に入ると、白河は車からダグラスが大量に買い込んだ、フィギュアやらTシャツやら、その他色々な荷物を下ろした。
彼はそれを執務室に持って行くと、一つ一つを丁寧に包みながら、一日の事を思い出していた。
