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お嬢様♡レッスン

第20章 Lesson 8♥おもてなしの心を学びましょう

綾芽は茶碗を手に取り、時計回りに碗を回してお茶を一口含んで、その味を味わった。

抹茶独特の苦味・香り・そして仄かな甘み。

綾芽は再度茶碗に口付け残りを頂く。

綾芽は茶碗を拭うと茶碗を回して戻し、柳瀬が茶碗を回収する際に礼をすると、またそれに返礼し白河にも礼をした。

「本日は有難うございました」

「まぁ、及第点ですかね?」

白河にそう言われ、綾芽はホッと安堵の溜息を零した。

「恐らく、お嬢様のお年でしたら、正客になる事は先ずないと思いますので、前の方の真似をされれば間違いはないと思いますよ?」

「そうですか?良かった…」

「まぁ、問題があるとすれば茶事にお呼ばれした時でしょうか」

「茶事ですか?」

「お茶を頂くだけでなく、お料理も頂いたりするので、時間がかかるんですよ、これが」

「巽?言葉が悪いですよ?」

「ああ、失礼!まぁ、そんな訳で、作法を覚えたら色んな茶会に参加をして経験を積む事です。何でも経験ですよ?お嬢様」

「そうですね!お作法を覚えて、お誘いがあったら積極的に参加してみます!」

「いいですねぇ、積極的に参加か」

綾芽の言葉を受けて白河がニヤリと笑う。

「えっ?」

「それじゃあ、そろそろあちらのお勉強をしませんか?」

「あちらの?」

「男と女のお勉強です」

「えっ!?あのっ、柳瀬さん?」

「頑張って下さいね、お嬢様?」

柳瀬がにっこり笑って綾芽の自由を奪う。

「本日は2人でたっぷりお嬢様を可愛がって差し上げますよ?」

そう言って白河は綾芽に手を伸ばす。

帯留めを外し、背中に腕を回して帯の結び目を解く。

「俺、あれ一度やってみたかったんだよなー」

「あれ?」

「そっ!『あ~れ~!お代官様ご無体なぁ~』ってやつ?」

「帯、ふた周りくらいしか回ってないのに、あんなに駒みたく回るわけないでしょ?」

「えー!?そうなの?なんだ、つまんねぇの!」

「もう!巽、お嬢様の前ですよ?もう少し言葉に気を付けなさい」

「はいはい。と、言う訳で、お嬢様。覚悟は宜しいですか?」

「覚悟って、『あ~れ~!』とか言うやつのですか?」

「おっと!ボケをかましてきやがりましたか?」

「ボケたつもりはないですけど!?」

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