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葛城の口の中に、チョコレートの甘味が広がる。そのチョコレートは二人の舌が絡まると、その熱さであっというまに溶けてなくなった。

すると綾芽は、また一粒箱から摘まみ上げ、舌の上に乗せる。

葛城は何故、彼女がこんなに大量のキスチョコを作ったのか、その意図を知り喜びに胸が震えた。

こうする事を自分が望むだろうと、考えてくれたのだ。

チョコレートはオマケであり、あくまでも彼女の口付が葛城に贈るものなのだと。

この量は、「沢山キスをしよう」と言う綾芽の意思表示。

「はぁ……。こんなに甘いチョコレートは、初めてです……」

そう言いながら、何度もチョコレートを強請る葛城。

「でも……、こんなにしていたら、直ぐになくなってしまいますね……」

「そしたら……、また作ってあげますよ？」

「ふふっ。では、なくなったらまたお願いしますね？」

そう言うと葛城は綾芽をベッドに押し倒す。ガウンの合わせを開くと、白い肌が露わになる。

そこには昨夜付けたばかりの、葛城の印が赤く色付いていた。

葛城は箱から一握りチョコレートを掴むと、それを綾芽の肌の上に置いていく。