お嬢様♡レッスン
第3章 これがお仕えする者達です、お嬢様
綾芽はこの世界の言わば新人である。
「おかしな事を気にされるのですね」
そう言って高月は顔を崩した。
取り繕った笑顔ではない、何気ない素の笑顔が高月を普通の青年に見せた一瞬だった。
それに気付き、彼は話を修正する為に咳払いを一つした。
「さて!お嬢様、本題に入りたいのですが宜しいですか?」
「すみません。どうぞ…」
「本日はお疲れの所を申し訳御座いませんが、この後は屋敷で働く使用人のそれぞれの長を御紹介致します。次にご入浴頂いた後、お着替え頂き本館にて旦那様と御夕食を共にして頂きます」
「はい」
「その後はご希望であれば邸内をご案内致しますが、本日は色々とお疲れでしょうから、お休み頂いた方が宜しいかと存じますが、如何致しますか?」
「えっと…。出来れば案内は明日にして頂けると有難いです」
「左様で御座いますね。畏まりました」
「高月さん?」
「はい、何で御座いましょう?」
「さっきは食って掛かっちゃって御免なさい」
「いいえ。あれしきの事でお嬢様が謝られる必要は御座いませんよ?」
「でも、謝りたかったの。それから…色々と有難う御座います。これからも宜しくお願いしますね?」
そう言って微笑んだ綾芽に高月は心を何かに鷲掴みされたような衝撃を覚えた。
少し窶れた感の綾芽の顔は、妙に色気があった。
それでなくとも綾芽は絶世の美女とまではいかないが、平均以上の美貌の持ち主だ。
納骨の為に着ていたのであろう、黒の礼服がより一層、彼女の雰囲気を大人に見せていた。
このまま押し倒して身ぐるみを剥ぎ、甘く鳴かせてみたい。
そんな邪な想いが頭を擡げる。
しかし、明後日から『お嬢様教育』が始まる。
焦らずとも、その機会に恵まれる事があるだろう。
そう思い直し欲望を抑え込んだ。
『お嬢様教育』
茶道や華道、乗馬、ピアノやヴァイオリン等の楽器演奏の情操教育の類から、政治・経済学、帝王学、社交術、果ては性教育迄。
特に性教育はお嬢様教育に於いては重要だ。
子を成す事は一族の繁栄に繋がる。
また、床上手は配偶者の子種拡散の抑制にも繋がる。
それ故、東乃宮家では女子には重点を置いて教育を施す。
それらは主に若い執事達の役目となっていた。
綾芽の母の場合、その相手が1人だった為に恋愛迄発展し駆け落ちと言う結果となってしまった。
「おかしな事を気にされるのですね」
そう言って高月は顔を崩した。
取り繕った笑顔ではない、何気ない素の笑顔が高月を普通の青年に見せた一瞬だった。
それに気付き、彼は話を修正する為に咳払いを一つした。
「さて!お嬢様、本題に入りたいのですが宜しいですか?」
「すみません。どうぞ…」
「本日はお疲れの所を申し訳御座いませんが、この後は屋敷で働く使用人のそれぞれの長を御紹介致します。次にご入浴頂いた後、お着替え頂き本館にて旦那様と御夕食を共にして頂きます」
「はい」
「その後はご希望であれば邸内をご案内致しますが、本日は色々とお疲れでしょうから、お休み頂いた方が宜しいかと存じますが、如何致しますか?」
「えっと…。出来れば案内は明日にして頂けると有難いです」
「左様で御座いますね。畏まりました」
「高月さん?」
「はい、何で御座いましょう?」
「さっきは食って掛かっちゃって御免なさい」
「いいえ。あれしきの事でお嬢様が謝られる必要は御座いませんよ?」
「でも、謝りたかったの。それから…色々と有難う御座います。これからも宜しくお願いしますね?」
そう言って微笑んだ綾芽に高月は心を何かに鷲掴みされたような衝撃を覚えた。
少し窶れた感の綾芽の顔は、妙に色気があった。
それでなくとも綾芽は絶世の美女とまではいかないが、平均以上の美貌の持ち主だ。
納骨の為に着ていたのであろう、黒の礼服がより一層、彼女の雰囲気を大人に見せていた。
このまま押し倒して身ぐるみを剥ぎ、甘く鳴かせてみたい。
そんな邪な想いが頭を擡げる。
しかし、明後日から『お嬢様教育』が始まる。
焦らずとも、その機会に恵まれる事があるだろう。
そう思い直し欲望を抑え込んだ。
『お嬢様教育』
茶道や華道、乗馬、ピアノやヴァイオリン等の楽器演奏の情操教育の類から、政治・経済学、帝王学、社交術、果ては性教育迄。
特に性教育はお嬢様教育に於いては重要だ。
子を成す事は一族の繁栄に繋がる。
また、床上手は配偶者の子種拡散の抑制にも繋がる。
それ故、東乃宮家では女子には重点を置いて教育を施す。
それらは主に若い執事達の役目となっていた。
綾芽の母の場合、その相手が1人だった為に恋愛迄発展し駆け落ちと言う結果となってしまった。