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お嬢様♡レッスン

第23章 執事のお仕事◆杜若莉玖の場合

担当執事が葛城も含めれば7人も居るお陰で、講義を休むのは週末1日で済むのは有難い。

休む日も、成るべく同じ曜日にはならない様に調整してある。

これは白河と柳瀬も同様である。

綾芽の昼食後に自分も簡単な昼食を摂り、その後、綾芽に馬の世話の仕方を説明する。

世話と言っても馬の身体を洗ってやる程度で、餌やりや掃除等はお嬢様にはさせられない。

3時からはアフタヌーンティーの時間で、それが終われば夕食迄は綾芽は自習の時間に入る為、執事室で事務仕事を行う。

この時に特に仕事が無ければ、自分の為の勉強をしても良い事になっている。

8時からディナーの給仕をし、その後は綾芽の風呂の準備。

綾芽が入浴中に夕食を摂り、その後は綾芽から特に要望が無ければ22時迄待機し、その間に業務報告書を作成、高月に提出し1日の業務が完了となる。

とは言え、翌朝他の執事と交代する迄は、一応有事の場合に備えて待機である。

本来、1人の執事がやるべき仕事を見習いである彼等は分担して行っている為、比較的余裕がある。

東乃宮家の執事達は恵まれていると言えるだろう。

彼等が執事見習いになった事で、一番楽になったのは高月であろう。

別館の全ての管理は、それ迄高月が全て行なっていたのだから。

しかし、楽になったからと言って、彼も遊んでいる訳ではない。

葛城の補佐の仕事が増えたからである。

そして葛城は、高月に仕事を回している分、主の為の仕事を増やす事が出来る様になった。

唯、莉玖は葛城がどんな仕事をしているのかは具体的には知らなかった。

執事の仕事も、興味があった訳ではなく、宗佑に『お前の従兄弟が帰って来るから面倒をみてやってくれないか?』そう言われたから引き受けただけだ。

オプションに『お嬢様とエッチなレッスン』があると聞かされたのは、その後幼馴染み達との会話の中でだった。

知っていたら引き受けなかっただろう。

しかし、何故、宗佑は自分を指名したのだろうか?

それが莉玖の心に何時も引っかかっている疑問なのだった。

「さて、そろそろお前達も遊びたくなっただろ?」

莉玖はシラユキに話しかけると、シラユキは鼻を鳴らしてそれに答えた。

莉玖は馬達を運動場に出し、彼等が遊んでいる間に馬房や水桶の掃除を終わらせ、朝食を摂った後、綾芽の部屋がある3階に向かった。

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