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お嬢様♡レッスン

第27章 嵐の様な来訪者

綾芽の対応に高月も速水も心の中で拍手喝采だ。

「生まれてからずっと東乃宮の一員としてお育ちになった恵莉奈様でしたら、お手本として申し分ない方でしょう?高月?」

「はい」

「嬉しいですわ。私、ここへ来たばかりで同じ年位の同性のお友達もおりませんの。宜しかったら仲良くして頂けますか?」

「えっ?ええ、いいわよ?別に」

「有難う御座います。それではお庭でお茶でもいかがでしょう?今、丁度芍薬と薔薇が見頃なんですよ?高月!」

「はい」

「お庭に準備を。それから執事を全員集めなさい。恵莉奈様をきちんと全員でおもてなしするんですよ?」

「畏まりました」

「それでは、準備が整う迄、私に色々と教えて下さいね?」

「え、ええ…でも、私、疲れているのよ。悪いんだけどお茶は結構なので、部屋で休ませて貰えないかしら?」

「あら、気が効かなくてすみません。それではメイド長に直ぐにお部屋を準備させますわね」

「綾芽様、それでしたらご用意は出来ておりますので、私、安岡がご案内致します」

「流石ですね!有難う。それでは恵莉奈様。旅のお疲れを癒して下さいませ」

にっこり笑って綾芽は恵莉奈をリビングから送り出す。

恵莉奈が2階の廊下の奥に消えると、安堵の溜め息を漏らした。

「お嬢様、見事な御対応でしたよ?」

そう言って現れたのは葛城だった。

「葛城さん!」

「居らしておられたのでしたら、何故助けて下さらなかったのです?」

「お嬢様がどのようにご対応されるのかを拝見しようと思いまして。貴方方にはご迷惑をお掛けしましたが…」

「全くです。そちらには連絡は入っていなかったのですか?」

「ええ。私も知りませんでした。守衛から連絡を受けて慌てて来たんですよ」

「何時まで滞在されるのでしょうか?」

「今から御挨拶に伺いますので、訊いてみましょう」

「お願い致します。それでは綾芽様、お部屋に戻りましょう」

綾芽は高月に促されて歩き出すが、葛城の事が気にかかった。

執事と寝るのが趣味の恵莉奈の元に、一人で挨拶に行って大丈夫なのかと。

誘惑されたりしないのだろうかと不安になった。

綾芽は葛城の事をまだ良く分かっていない。

理解するには一緒に居られる時間が余りにも短い。

俯きながら廊下を歩いて居ると、高月に『葛城さんの事が気に掛かるのですか?』と尋ねられた。

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