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お嬢様♡レッスン

第3章 これがお仕えする者達です、お嬢様

高月がそう説明すると、杜若は『どうも』と言うように頭をペコリと下げた。

「杜若の担当は乗馬です。彼は国体の選手でもあります」

高月はそう付け加えた。

「帝王学やマナー、社交術に関しては、私、高月が担当致します」

「分かりました。皆さん宜しくお願いします」

「それから、此処にいる者が日替わりでお嬢様のお世話を致します。担当の者は隣にあります執事部屋で待機しておりますので、御用の際はお呼び下さればいつでも駆け付ける手筈となっております」

「分かりました。有難うございます」

「本日と明日はこのまま私が担当させて頂きます」

高月はそう言って綾芽に軽くお辞儀をすると、他の者達に執務に戻るよう命じ解散させた。

綾芽はホッと溜息を吐くとソファに深く身を預ける。

「お疲れ様でした。ご夕食迄未だ時間が御座います。湯舟に浸かって身体を解されては如何ですか?」

確かに緊張の連続で身体が強ばっていると感じた綾芽は高月の提案に乗り、バスタイムを愉しむ事にした。

「既に準備は出来て御座います。ディナーのドレスは用意しておきますので、ごゆっくりなさって下さい」

そう言うと高月は綾芽をバスルームに案内し、綾芽の服を脱がそうとする。

「え!?ちょっ…!?高月さん?」

「はい、何でございましょう?」

動揺する綾芽に変わらない落ち着いた声で返答する高月。

「服は自分で脱ぎます!!」

「……恥ずかしがって居られるのですか?」

「当たり前でしょう!!これでも一応私は女で、高月さんは男性なんですからっ」

「しかし、執事は主の着替えを手伝うのも仕事の1つですから、慣れて頂きませんと」

「そっ、そうかも知れませんけどっ!私には不要です!!」

「お嬢様、これしきの事で狼狽えていては今後のご令嬢としてのレッスンには付いていけませんよ?」

「どういう意味ですか?」

「お嬢様。上流階級のレディにとって、立ちふる舞いが美しく教養がある事はとても重要な事ですが、最も重要なのは、『子を成す』事で御座います」

「それが、どういう関係があるって言うんですか?」

「お嬢様の『性教育』も私共の仕事で御座います」

「それって…?」

「お嬢様が旦那様になる方に末永く愛して頂ける様、実技を教えて差し上げる事で御座います」

高月の言葉に強い衝撃を受ける綾芽。

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