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お嬢様♡レッスン

第29章 執事の計略Ⅰ(高月編)

先ずは綾芽を後戻り出来ない様に追い詰める必要がある。

葛城では隙が無い為、彼に精神的ダメージを与えるのは困難だ。

その点、綾芽はまだ若く、人生に於ける経験も浅い。

故に彼女を追い詰める他ない。

高月は安易だとは思ったが、綾芽が好きな男以外との交わりに溺れる様を葛城に見られている状況を作り出そうと考えた。

綾芽は未だ、性に対し潔癖な所がある。

なので、好きな男に彼以外の男とのセックスで乱れる姿を見られれば、彼に対する罪悪感から彼自身を避ける様になるのでは無いかと踏んだ。

早速、今夜その状況を作り出さねばならない。

問題があるとすれば、恵莉奈が葛城を朝まで放さないかもしれない事だが、それも睡眠薬でも一服盛れば何とかなるだろう。

高月は葛城本人に薬を渡し、夜のお務めを回避する様アドバイスをする。

そして、綾芽が話したいと言っているから業務が終わってから彼女の部屋に来る様伝えた。

これで準備は整った。

後は綾芽の乱れた姿を見る彼を彼女に見せるだけだ。

綾芽には、ナイトティーに薬を仕込んで飲ませてある。

そろそろ薬が効き始める頃だ。

少し目が潤んで、肌が仄かに色付いて来ている。

「綾芽様、お顔が赤い様ですが、熱がお有りなのではないですか?」

そう言いながら、高月は綾芽に触れる。

「んっ…」

すると彼女は身体をピクンと震わせ、切なそうな吐息を洩らす。

そして、その手をゆっくりと綾芽の肌の上を滑らす。

「はぁ…ん」

高月に触れられた部分から、ゾクゾクと肌が粟立つのを綾芽は感じていた。

身体が火照り、渇きを覚える。

「綾芽様?」

高月は薬の効果を感じほくそ笑む。

高月が綾芽に盛ったのは媚薬だった。

部屋には淫らな気分を高める香を焚き、入浴剤にも肌──特に粘膜を刺激する成分を含んだ物にし、その効果を高めておいた。

「高月…アソコがじんじん…するの…」

綾芽は自分の身を抱き締めながら、そう訴えた。

触れられてもいないのに綾芽の蜜壷は、達する直前で愛撫を止められたかの様に切なさで疼いていた。

「それでは、鎮めて差し上げましょう」

そう言いながらも高月は、首筋や腕、脇腹をネグリジェの上からそっと撫でるだけで、一向に肝心な部分には触れて来ない。

綾芽は身体をもじもじとさせ、焦れったさを訴える。

「どうしたのですか?」

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