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お嬢様♡レッスン

第37章 お嬢様の熱い夜

その音に、綾芽は心臓が飛び出るのではないかと思うくらいにドキッとした。

慌てて身を整えると、布団の中に潜り込む。

ドキドキしながら布団の中で身を固くしていると、訪問者が綾芽の返事を待たずに、扉を開け部屋の中に入ってくる気配を感じた。

(誰…?)

布団からそっと目だけを覗かせて見ると、綾芽の視線と同じ高さまで身を低くした葛城と目が合ってしまった。

(なっ!何で葛城さんがここに───!?)

「お嬢様、大丈夫ですか?何処か具合でも悪いのですか?」

「なっ、何で?」

緊張の余り、綾芽の声が上ずる。

聞きたかった声が、今、近くで聴こえる事に、綾芽心臓は早鐘の様に鳴り響く。

「先程、お電話を下さったでしょう?」

「どうして、私だと?」

「何故でしょうね?唯、貴女が泣いている。そんな気がして急いで様子を見に来てしまいました」

「恵莉奈さんは?恵莉奈さんと、その…」

『エッチな事をしてたんでしょう?』と言いかけて、綾芽は言い澱んだ。

肯定されて傷付くのは自分である。

「恵莉奈様のお部屋の水道管が折れてしまいまして、その修理の為に呼ばれていただけですよ?」

「水道管?」

「はい。どう言う訳なのかは存じませんが、ポッキリと折れておりまして…。修繕担当の者が来る事になっておりますので、御心配にはお呼びません」

葛城の言葉に、綾芽は安堵した。

「ところで、お嬢様。私が来る前に“何を”してらしたんですか?」

「えっ!(ドキッ)な、何もしてません!寝ようと思ってこうして布団に…」

葛城の問いにしどろもどろで答える綾芽。

まさか、葛城を想って自慰行為に耽っていた等とは、口が裂けても言えない。

「そうですか?ちょっと失礼致します」

そう言うと葛城は綾芽の布団を剥ぎ、綾芽の右手を取った。

葛城は、綾芽の指先に鼻を近付けるとクンクンと匂いを嗅いだ。

「心無しかお嬢様のエッチな蜜の香りがしますね…」

そして葛城は、綾芽のその指を口に含んだ。

綾芽の指に舌を絡める葛城。

先程まで、綾芽の下着の中で蠢いていた指。

微かに残る彼女の蜜の味に興奮を覚える。

「ああ…。お嬢様の蜜の味がします…」

「やっ!」

(どうしょう…。バレてる?私が一人でエッチな事をしていた事が?)

「正直に仰って下さい。“何を”してらしたんですか?」

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