テキストサイズ

お嬢様♡レッスン

第37章 お嬢様の熱い夜

「そんな事…」

「言えませんか?ご自身で自らを慰められていた、と?」

「……!!」

「誰を想ってそんな事をされていたのですか?」

(そんな事、言える訳ない…)

「もう、仰っては下さらないんですか?私が欲しいと…」

「だって…」

「高月の事ですか?」

「それもありますけど…。ご迷惑なんじゃないかって…」

「何故?」

「だって、葛城さんが私とそう言う事をするのは、仕事だからでしょう?私、葛城さんに迷惑掛けたくないです。だって…」

綾芽が『好き』と思いの丈を口にしようとした瞬間、それは葛城の唇に寄って押し止められた。

「んっ…」

「その先は私に先に言わせて下さい。綾芽様、貴女が好きです。心の底から」

「……っ!!」

葛城の言葉に綾芽の瞳はみるみる潤み、そして言葉にならない想いが頬を伝って零れ落ちていく。

「すみません。もっと早くに伝えれば良かったと、後悔しております」

「うっ…ひっく…!」

「私は最低ですね。貴女に高月を選ばせておいて、後からこんな事を…。でも、高月に貴女を奪われて初めて、何が大切な事なのか、誰が一番大切なのかを思い知りました」

葛城は綾芽の頬に手を添えると、親指で彼女の頬を伝う涙を拭い、そして頬に口付けた。

その唇は耳に、髪に、額に、優しい雨の様に降り注ぐ。

「貴女の心の中に誰があろうと関係ない。これからは自分の気持ちに正直になります。私は貴女が欲しい。貴女を抱くのは仕事だからではなく、私がそうしたいからです」

そう言いながら葛城は綾芽の上に覆い被さり、彼女の瞳をじっと見つめた。

綾芽も静かに彼を見つめ返す。

心は既に濡れていた。

綾芽の唇が『抱いて』と動く。

葛城は自分を抑える事が出来ずに、綾芽の唇を貪るように口付けた。

口付けを受けているだけなのに、綾芽は身体の奥からトロッと蜜が溢れでるのを感じていた。

執事達がどんなに頑張っても濡れなかった綾芽の身体。

それが、たった一人の男の口付けに寄って、封印を解かれたかの様に堰を切って溢れ出したのだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ