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お嬢様♡レッスン

第37章 お嬢様の熱い夜

葛城の指が、舌が綾芽を翻弄する。

シーツは二人の汗と綾芽から溢れる蜜と葛城の精で、ぐしょぐしょに濡れていた。

初めてを失った日から久しぶりの身体での会話に、二人は夢中でお喋りに花を咲かせる。

幾度となく唾液を交換仕合い、粘膜を擦り合わせる。

葛城は幾度も綾芽の中に精を放ち、放っては再び彼女を求めた。

綾芽は幸せな気持ちでそれに応じた。

しかし、二人のそんな熱い夜も朝の足音が聞こえて来ると終わりを迎える。

「そろそろ戻らなくては…」

葛城はベッドサイドの時計に目をやると、身を起こした。

「…っ!」

綾芽は泣きそうな顔でバッと身を起こした。

もっと一緒に居たいのに。

綾芽の瞳はそう言っていた。

「そんな顔をしないで下さい」

葛城は綾芽を引き寄せると、口付けを落とし彼女を腕の中に閉じ込める。

「綾芽様、今度一緒に旦那様のいらっしゃるアメリカに行きませんか?勿論、お供は私だけで…」

葛城の提案に、綾芽の顔が見る間に明るくなる。

「行きたい!」

綾芽は瞳を輝かせ、そう答えた。

綾芽のくるくると変わる表情に葛城は笑みを零した。

「それでは何か尤もらしい理由を考えなくてはなりませんね?」

「葛城さん!嬉しい!有難う!」

そう言って綾芽は葛城の首に腕を絡めた。

「綾芽様、その“葛城さん”と言うのは、些か他人行儀で寂しいのですが…」

「葛城さんも、その“様”と言うのを取ってくださるなら、考えますよ?」

「でも、綾芽様は旦那様のお孫様でいらっしゃいますし…」

「恋人じゃないんですか?」

綾芽の顔が曇る。

しかし、高月の事が片付いていない今、堂々と恋人だと言ってしまっても良いものだろうか。

それに綾芽も気付き、はしゃいでしまった自分を嫌悪した。

「まだ、浮かれていては駄目…ですよね」

「高月との事は早々に決着を付けなければなりません。それまでは二人の事はご内密にお願いしますね?」

「はい…」

「“偲ぶ恋”と言うのもそれはそれで燃える物がありますよ。綾芽様には心苦しいかも知れませんが…。高月には申し訳ないと思いますが、今はそれを楽しみましょう?今だけなのですから…」

「はい」

「それでは、私は戻ります。“迷惑”等とは考えずに、何時でもお呼び下さい。貴女が会いたいと思って下さっている時は、私もお会いしたいのですから…」

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