お嬢様♡レッスン
第4章 この方がお爺様です、お嬢様
「あら?」
「何ですか?」
「お風呂に入ったから、血行が良くなったようですね!お肌の色がとても綺麗です」
「そう…ですか?」
「はい!それに表情も少し明るくなられましたね!」
「そうでしょうか?」
「嫌ですわ、お嬢様。メイドに敬語なんて使う必要はないんですよ?」
「でも、初対面ですし…メイド長さんですし…」
(見た所、年上のようだし。ママと同じくらいかな?)
「初対面かもしれませんが、此処はお嬢様のお家です。お家で気を使っていたら、休まる心も身体も休まりませんよ?私達の事は家族と思って気楽になさって下さい」
「はぁ…」
「それにね、私はお嬢様にお会い出来て嬉しいんですよ!私は綾音様付きのメイドで、親しくさせて頂いて居りましたので、娘が帰って来てくれたみたいで本当に嬉しいんです…」
メイド長は鏡の中の綾芽をじっと見つめて瞳を潤ませていた。
「あ、あの!」
「あら、ヤダ…すみません。綾音お嬢様とこんな風に髪を整えながらお喋りしていたのを思い出してしまいました…」
「いいんです。あの、安岡さん?」
「私の事を?」
「父と母の会話によく安岡さんの事が出てましたから…」
「…!!…そうですか…お二人が私の事を…」
「はい。私、安岡さんの事を『ママ』だと思って甘えても良いですか?」
「お嬢様…。こんなオバサンで宜しければ…」
「オバサンだなんて…ママと同じ年なんでしょう?ママが聞いたら『私は永遠の二十歳よっ!』って怒りますよ?」
「綾音様らしい…天真爛漫でお優しくて…綾音様は皆の天使でした…」
「私も皆さんにそう思って頂ける様に頑張りますね!」
「いいえ、綾芽様はそのままで良いんですよ?」
「でも、私、お嬢様らしくないですし…」
「確かに一歩外にお出になったら『東乃宮家』のお嬢様としてのお振る舞いはして頂かないと困りますけど、私共の前では素の綾芽様で居て下さい」
「安岡さん…有難う」
「いいえ!さあ、髪が結上がりましたので、ドレスにお着替え下さい!」
安岡女史に手を取られ立ち上がると、綾芽はトルソーが着ているドレスの前に立つ。
淡い水色に銀色の刺繍と真珠が散りばめられている上品なドレスだった。
「これは…綾芽様のお母様がこの邸で迎えた最後の誕生日に旦那様が、贈られたドレスです。綾芽様にお似合になりますよ」
「何ですか?」
「お風呂に入ったから、血行が良くなったようですね!お肌の色がとても綺麗です」
「そう…ですか?」
「はい!それに表情も少し明るくなられましたね!」
「そうでしょうか?」
「嫌ですわ、お嬢様。メイドに敬語なんて使う必要はないんですよ?」
「でも、初対面ですし…メイド長さんですし…」
(見た所、年上のようだし。ママと同じくらいかな?)
「初対面かもしれませんが、此処はお嬢様のお家です。お家で気を使っていたら、休まる心も身体も休まりませんよ?私達の事は家族と思って気楽になさって下さい」
「はぁ…」
「それにね、私はお嬢様にお会い出来て嬉しいんですよ!私は綾音様付きのメイドで、親しくさせて頂いて居りましたので、娘が帰って来てくれたみたいで本当に嬉しいんです…」
メイド長は鏡の中の綾芽をじっと見つめて瞳を潤ませていた。
「あ、あの!」
「あら、ヤダ…すみません。綾音お嬢様とこんな風に髪を整えながらお喋りしていたのを思い出してしまいました…」
「いいんです。あの、安岡さん?」
「私の事を?」
「父と母の会話によく安岡さんの事が出てましたから…」
「…!!…そうですか…お二人が私の事を…」
「はい。私、安岡さんの事を『ママ』だと思って甘えても良いですか?」
「お嬢様…。こんなオバサンで宜しければ…」
「オバサンだなんて…ママと同じ年なんでしょう?ママが聞いたら『私は永遠の二十歳よっ!』って怒りますよ?」
「綾音様らしい…天真爛漫でお優しくて…綾音様は皆の天使でした…」
「私も皆さんにそう思って頂ける様に頑張りますね!」
「いいえ、綾芽様はそのままで良いんですよ?」
「でも、私、お嬢様らしくないですし…」
「確かに一歩外にお出になったら『東乃宮家』のお嬢様としてのお振る舞いはして頂かないと困りますけど、私共の前では素の綾芽様で居て下さい」
「安岡さん…有難う」
「いいえ!さあ、髪が結上がりましたので、ドレスにお着替え下さい!」
安岡女史に手を取られ立ち上がると、綾芽はトルソーが着ているドレスの前に立つ。
淡い水色に銀色の刺繍と真珠が散りばめられている上品なドレスだった。
「これは…綾芽様のお母様がこの邸で迎えた最後の誕生日に旦那様が、贈られたドレスです。綾芽様にお似合になりますよ」