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お嬢様♡レッスン

第42章 お披露目パーティー開宴

恵莉奈は憎まれ口を叩きながら、部屋を後にした。

それと入れ違いに、安岡女史を筆頭にメイド達が数名、部屋に現れた。

「綾芽様、ご支度のお手伝いに参りました!」

「宜しくお願いします」

綾芽はそう言って微笑むとソファから立ち上がった。

メイド達が綾芽を着せ替えていく。

綾芽が選んだドレスは、祖父が母に最期にプレゼントしたドレスと同じ、淡い水色のドレスだった。

「いよいよですね!」

安岡が鏡越しに綾芽へと話掛ける。

「はい…」

綾芽はかなり不安だった。

ここでお披露目されれば、もう後には引けない。

次の東乃宮のトップとして世間に認識されるのだ。

それは、普通の家庭に育ってきた綾芽にとっては大きなプレッシャーである。

「緊張なさっておられますね?大丈夫です!私達メイド軍団も、影ながらフォローさせて頂きます!」

そう言って安岡をはじめとするメイドの皆がおどけて敬礼をする。

「ふふっ!有難うございます。心強いです」

「そうそう。そうやって笑ってらっしゃるのが、綾芽様は一番ですよ?」

「皆さん、いつも本当に有難う。頼りない主人ですが、これからも宜しくお願い致しますね!」

「勿論でございます!」

綾芽はメイド達に綺麗に飾られてて、迎えに来た高月と本館の広間へと向かう。

「綾芽様、本日は一段とお綺麗ですね」

「有難う。おかしいところはない?」

「完璧でございます。このまま何処かへ連れ去ってしまいたい程に…」

「相変わらずね…」

「そうでなければ私ではないでしょう?」

「まぁ、それもそうね」

「私…これでも我慢しているのですよ?」

「貴方が?」

「はい。本日は綾芽様にとって大切な日ですから…」

そう言ってニッコリと笑う高月。

綾芽はその笑顔が何故かはよく分からないのだが、怖いと感じた。

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