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お嬢様♡レッスン

第44章 甘い消毒

葛城の手が、優しく綾芽の丸い二つの丘を包み、ゆっくりと円を描く様に動く。

「あ…ん…」

綾芽は思う。

相手が葛城と言うだけで、どうしてこんなに気持ちが昂るのだろうか。

どうしてこんなにも感じてしまうのだろうかと。

肌が泡立つのは、嫌悪のせいではなく、悦び。

「葛城さん…舐めて?消毒してっ!」

「畏まりました」

「そんな言い方は…嫌…」

「では、どうすれば?」

「葛城さんはプライベートでも、そんな話し方なの?」

綾芽の質問に葛城は少し困った様に眉尻を下げた。

「すみません。執事になってから10年近く、プライベートな時間は殆ど持ちませんでした。仕事に没頭すれば、嫌な事も全て忘れられましたから…」

「そんな…っ」

「そんな悲しそうな顔をなさらないで下さい。これが私なのですから、受け入れて下さいませんと…」

「そうですね…」

一体、葛城にどんな過去があったのかは、分からないが、これからの葛城の人生に於いて、哀しみも喜びも全てを分かち合いたい。

綾芽はそう思った。

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