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「綾芽はどう思っているんだい？」

「私は…。ちゃんと高月と話さなくてはいけないとは思っています。唯、どう話せば納得して貰えるのか…。私、高月の事を嫌いな訳じゃないんです」

「唯、一番ではない…と？」

宗佑の言葉に綾芽はコクンと頷いた。

「そうだね。高月は今、表には出さないが、頭に血が上っている状態だろう。傍に居たら、あの子の性格上、キミに酷い事をしてしまうかも知れないね」

「そんな事っ！」

「ないとは言い切れないよ。あの子は自分の気持ちを持て余すと、それを誰かにぶつけなくては気がすまない子だから。葛城の様に、内側に閉じ込めて置けない子だからね」

「お爺様は高月の事をよくご存じなのですね」

「ははは。これでも雇い主だからね。余り傍にはいないけれど、分かるよ」

どの様な人物なのかを見抜く目。

それが大財閥の長として尊敬を集めている一部なのかも知れないと綾芽は思う。

そして、自分にそんな事が出来るのだろうかと不安になる。

「綾芽、暫く別荘で過ごしてみないか？葛城と高月抜きで、見習いの子達を連れて」

「別荘…ですか？」

「うん。場所は二人には絶対に教えない。そこで色々と考えてみたらどうかな？その間に高月にも頭を冷やして貰う」