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「東乃宮の別荘って聞いたから、スンゲェのを想像してたけど、結構、普通だな」

白河がボソッと零す。

「そうかぁ？これで十分だと思うけどなぁ…」

黒崎は頭の後ろで手を組みながら、白河に言葉を返す。

「まあ、今回ここへ来たのは、この島の使い道を考える為ですもの」

「そうでしたね。ところでこの島って電気通ってるんでしょうか？」

柳瀬が重大な事に気が付いた。

「あ！そうだ。着いたら発電機を起動しろって旦那様に言われてたんだった！」

黒崎が慌てて、ハウスの裏側へと走り出した。

辺りは薄暗くなってきている。

「水は大丈夫なんでしょうか？」

柳瀬は色々と心配なようだ。

「それを調べる為に、早速、中に入りましょう？」

「そうそう！ここに突っ立って眺めてても、何も変わんねぇよ！」

白河はそう言うと、荷物を担いでハウス向かって歩き始めた。

綾芽と速水もその後ろに従う。

速水はまだ、酔っている様で早く横になりたい一心だ。

「あ！待って下さい」

柳瀬も皆の後を追いかける。

そこへ、発電機の起動を終えた黒崎が合流し、ハウスの正面玄関の鍵を開けた。

皆、これからここで過ごす時間を想像してワクワクしながら扉の中へと踏み出した。