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「それじゃあ、俺等は東側に行くわ」

速水達三人は、島の東側への調査、黒崎と柳瀬の二人は西側の調査をすることになった。

お弁当をリュックサックに詰め、探索の準備が完了すると、二手に分かれる。

「お前等、綾芽ちゃんに変な事をして疲れさせるなよ？」

黒崎から念を押されるが、分かれてしまえばこちらのモノだ。

白河と速水はそう思っていた。

「さて、取り合えずここから東の海まで行ってみましょうか」

綾芽がそう提案すると、二人も同意する。

道らしい道はないが、それでも前に進めない程の森林でもない。

二人は転ばない様にと綾芽を気遣いながら、前へと進む。

枝に阻まれて進めない所は、白河が鉈を振るって行く手を拓いた。

「綾芽ちゃん、泥濘があるから気をつけて？」

速水が時々振り返りながら、綾芽に注意を促す。

大きな島ではないが、それでも道なき道を進んでいるせいか、海に辿り着くまで、30分程の時間を要した。

東側の海岸線には砂浜が500ｍ程続いていた。