無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「何でだろうなぁ…。こんなにしっくり来るのに、俺のモノじゃないなんて…」

ポツリと寂しそうに白河が呟く。

その言葉を聞くと綾芽の心はズキンと傷んだ。

「隙あり！」

「うひゃっ!?」

感傷に浸っていると、突然、腋の下を擽られた。

「『うひゃ』だって！やっぱ、おもしれぇな、綾芽は！」

「ひゃはははは！止めて！」

「止めて欲しいか？」

「止めてっ！擽らないでっ！」

先程までの甘いムードがぶち壊しである。

「じゃあ、何て言うんだ？」

「止めて…くっ…下さい…ぷくくっ…。お願い…しま…す…」

「まぁ、いいだろう」

そう言うと、白河は擽る手を止め綾芽の両肩を包む様に腕を回した。

「はぁ…はぁ…はぁ…。もう！酷いよっ！」

「悪ぃ、悪ぃ…。何かさ、お前とはこうやってふざけながらイチャコラすんのスッゲェ楽しいんだよな」

それは綾芽も同じ気持ちだった。

速水も大概ふざけたりするが、白河とは年も同じだけあって、気兼ねせずに居られる。