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お嬢様♡レッスン

第53章 主と執事

先日、綾芽のお披露目パーティーで狼藉を働いた滝口という男が居たが、その男に対する制裁は既に手を打たれていた。

彼は二度と上流階級の人間や財界人が集う席に顔を出す事は出来ない。

それは、会社の跡取りとしては、大きなダメージとなる。

また、未婚であるならば、良家の子女との婚姻はまず望めない。

そのような場に出る事の出来ない夫君等、価値がないからだ。

馬鹿な息子を重宝するような愚かな経営者であれば、衰退。

会社を想い馬鹿な息子を切り捨てる経営者であれば、まだそれなりの付き合いはする意思はある。

滝口親子に対しての宗佑からの処遇である。

葛城は、倒産まで追い込む事を望んでいたが、滝口父の経営する□□製薬は上場している大手である。

また、薬剤の特許も多数所有している。

それが破綻となると、日本経済にも影響を及ぼす恐れがある為、それは思い止まらせた。

高月はこの日の事を悔やんでいた。

自分が気付いていれば。

現状とは違っていたかも知れない。

綾芽の心を取り戻せたかも知れない。

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