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何なんだ、この人は。

これがあの『東乃宮グループ』の総帥だと言うのか。

「ねぇ、言って御覧なさいよ!?本音を。『綾芽の事は諦めない』とか『葛城が嫌いだ』とか『旦那様は素晴らしい方だ』とか！」

何なんだ、この人は。

最後にさりげなく自分を持ち上げてないか？

「ぷっ！」

宗佑の言動の可笑しさに、高月は思わず吹き出した。

「何でそこで笑うんだ！僕は何か可笑しな事でも言ったかっ!?」

全く。

子供みたいな人だな。

でも、高月は知っている。

こんな子供みたいな人が、世界中で評価を受けるビジネスマンだと言う事を。

そして、真面目に働く従業員や使用人達に対し正当な評価を下し、自分達に問題が起こった時には手を差し伸べる。

そう言う人である事を。

だから皆、この人に付いていくのだ。

自分の父親の様に自分勝手な我侭を押し通したり、人の意見も聞かず我が道を行くのではなく。

人の言葉に耳を傾け、その中から最良の結果を導き出す。

それが『東乃宮宗佑』と言う人であると言う事を。