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お嬢様♡レッスン

第56章 罪と罰

綾芽は足を留めるが振り返らずに言い放った。

「金輪際、私をその様に呼ぶ事は許しません」

一言、そう言い残すと彼女は階上へと消えて行った。

それを見送ると黒崎は皆の方に向き直る。

「分かっただろう?俺達がいかに綾芽ちゃんの優しさに甘えていたのか。『解雇』って言う言葉が出なかっただけでも、有難く思わないと…」

「俺…、もう執事にはなれねぇのかな…」

ポツリと白河が零す。

速水は項垂れたままだ。

「なれない訳じゃないと思う。これからの巽次第だと俺は思うよ?」

黒崎は白河を励ます様にそう言った。

「皆…、ゴメン。俺のせいでお前達まで巻き込んじまった…」

「リュウ兄…。気にすんな!便乗した俺達も悪い。な?広夢?」

「そうですね。こうなった以上、仕方がありません。僕達が止めるべきだったのに、一緒になって悪ふざけをしてしまったのですから」

「お前達…。本当にすまない!」

「マコ兄、この事は…?」

「その事について、お嬢様とこれから話して来るよ。お前達はここを片付けて、もう寝ろ」


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