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お嬢様♡レッスン

第56章 罪と罰

「マコ…。ゴメン」

「何が?」

「面倒を掛ける」

「いいさ。気にすんなって!取り敢えず俺は話して来るから」

黒崎はそう言うと、速水の肩をポンと叩き、綾芽の部屋へと向かった。

部屋の前まで来ると中から嗚咽が聞こえる。

(綾芽ちゃん…)

黒崎は声を掛けて良いものかと躊躇するが、意を決して彼女の部屋の扉をノックした。

『はい』と小さな声が返って来る。

「お嬢様、黒崎です。入っても宜しいでしょうか。今後の事でご相談が…」

黒崎が用件を伝えると、人の動く気配がし、程なくして扉が開かれた。

そこには、目を真っ赤にした綾芽が立っていた。

驚く事に、まだ何も着ていなかった。

シャワーを浴びる前だったのかも知れない。

「出直して来ましょうか?」

「いいえ、大丈夫です。少しだけ待っていて貰えますか?シャワーを浴びてしまいますので…」

「畏まりました」

黒崎は、綾芽がシャワーを浴び終えるまで、部屋で待つ事になった。

窓際の椅子に腰を掛け、シャワーの音が止むのを待つ。

その間中、彼の心は後悔の念が渦巻いていた。

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