
お嬢様♡レッスン
第59章 そして2人きり
速水は綾芽の部屋の前まで来ると、大きく深呼吸をした。
まだ、建てられて間もないログハウスの木の香りが胸に広がり、気持ちを落ち着かせてくれる。
まだ、寝ているかも知れない。
しかし、時間に猶予もない。
速水は、思い切って閉ざされた扉をノックした。
「お嬢様、起きていらっしゃいますか?」
返事はない。
しかし、中で動く気配は感じられた。
「そのまま、お聞き下さい。昨夜はお嬢様に大変無礼な真似を働き、誠に申し訳ございませんでした。お許し頂けるとは思っておりません。私は執事の任を外れますが、どこに居りましてもお嬢様のご多幸をお祈りしております」
速水はそう言って、閉ざされた扉に深く頭を下げた。
「きっと、キミに話掛けられるのはこれが最後だと思うから、言わせてね?………綾芽ちゃん。馬鹿な事をして…ゴメン。傷付けてゴメン。」
「…それから…大好きだよ。夢を見させてくれて有難う。キミと過ごした時間は俺にとって掛け替えのない幸せな時間だった。本当に有難う。幸せにね?」
速水はそれだけ言うと、踵を返しその場を離れた。
綾芽は遠のく足音を声を殺して泣きながら聞いていた。
まだ、建てられて間もないログハウスの木の香りが胸に広がり、気持ちを落ち着かせてくれる。
まだ、寝ているかも知れない。
しかし、時間に猶予もない。
速水は、思い切って閉ざされた扉をノックした。
「お嬢様、起きていらっしゃいますか?」
返事はない。
しかし、中で動く気配は感じられた。
「そのまま、お聞き下さい。昨夜はお嬢様に大変無礼な真似を働き、誠に申し訳ございませんでした。お許し頂けるとは思っておりません。私は執事の任を外れますが、どこに居りましてもお嬢様のご多幸をお祈りしております」
速水はそう言って、閉ざされた扉に深く頭を下げた。
「きっと、キミに話掛けられるのはこれが最後だと思うから、言わせてね?………綾芽ちゃん。馬鹿な事をして…ゴメン。傷付けてゴメン。」
「…それから…大好きだよ。夢を見させてくれて有難う。キミと過ごした時間は俺にとって掛け替えのない幸せな時間だった。本当に有難う。幸せにね?」
速水はそれだけ言うと、踵を返しその場を離れた。
綾芽は遠のく足音を声を殺して泣きながら聞いていた。
