
お嬢様♡レッスン
第59章 そして2人きり
速水達が船で行ってしまうと、島には綾芽と黒崎の二人だけになった。
綾芽はとうとう見送りには来なかった。
黒崎が追加の食料と飲み水を台車に乗せてログハウスに戻ると、広いリビングの片隅のソファの上で膝を抱えて肩を震わせている綾芽が居た。
一緒に過ごした期間は短かったが、何度も肌を重ねた相手との別離は、そこに恋心がなくても、やはり切なかった。
謝りに来た、速水。
許して笑って見送って上げれば良かったのだろうか。
しかし、昨夜の事をなかった事には出来ない。
どんなに謝られても。
どんなに自分を想っていてくれていても。
彼等の行為は深く綾芽の心を傷付けたのだ。
「綾芽ちゃん…」
黒崎は綾芽の隣に座り、彼女の肩を抱き寄せて、頭を撫でた。
慰めの言葉が見つからない彼の、精一杯の慰め方だった。
それが綾芽には心地良かった。
下手な言葉よりも、唯傍に居てくれる。
それがどんな慰めの言葉よりも有難い。
黒崎の大きくて温かい手に慰められて、綾芽は安心したのか寝息を立て始めた。
綾芽はとうとう見送りには来なかった。
黒崎が追加の食料と飲み水を台車に乗せてログハウスに戻ると、広いリビングの片隅のソファの上で膝を抱えて肩を震わせている綾芽が居た。
一緒に過ごした期間は短かったが、何度も肌を重ねた相手との別離は、そこに恋心がなくても、やはり切なかった。
謝りに来た、速水。
許して笑って見送って上げれば良かったのだろうか。
しかし、昨夜の事をなかった事には出来ない。
どんなに謝られても。
どんなに自分を想っていてくれていても。
彼等の行為は深く綾芽の心を傷付けたのだ。
「綾芽ちゃん…」
黒崎は綾芽の隣に座り、彼女の肩を抱き寄せて、頭を撫でた。
慰めの言葉が見つからない彼の、精一杯の慰め方だった。
それが綾芽には心地良かった。
下手な言葉よりも、唯傍に居てくれる。
それがどんな慰めの言葉よりも有難い。
黒崎の大きくて温かい手に慰められて、綾芽は安心したのか寝息を立て始めた。
