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お嬢様♡レッスン

第60章 Lesson 13♥誘惑してみましょう

「綾芽ちゃん?」

じっとスケッチを見つめて動かない綾芽を心配して、黒崎が声を掛ける。

「え?ああ、ごめんなさい。素敵なイメージね。参考になったわ」

そう言うと綾芽はスケッチブックを閉じ、黒崎に返した。

「まずは、幾つかコンセプトを決めて、お爺様にプレゼンしないとね」

自分はビジネスに関しては素人だ。

自分達が妙案だと思ったアイディアも経営のプロから見たら、唯の子供騙しに見えるかも知れない。

今、流行している物ではなく、先を見通して何が流行り、どの様な物が定着して残っていくのかを見極めなければならない。

それは、まだ世間を知らない綾芽にとっては難しい事の様に思われた。

だからこそ、祖父は自分にこの役割を与えたのかも知れない。

実際の経験を積む事。

そのチャンスを与えられたのだから、胸を借りて色々と学ぼう。

少しでも成長した姿をお爺様にも、そして葛城にも見て貰いたい。

綾芽はそう思った。


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