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お嬢様♡レッスン

第60章 Lesson 13♥誘惑してみましょう

”ちゃぽ───ん”

黒崎は、目隠しをして湯船に浸かっていた。

大浴場の外壁側は、一面のガラス張りになっており、ライトアップされた木々が見えるのだが、今の黒崎はそれを楽しむ事が出来ない。

”カラカラカラ”

軽い、サッシ戸が引かれる音が聞こえ、ヒタヒタと裸足の足音が近付いてきた。

綾芽が入って来た様だ。

まさか、本当に入って来るとは。

黒崎は綾芽にからかわれているのだと思っていた。

いや、今でもからかわれているのかも知れない。

何せ、黒崎は馬鹿正直にきちんと目隠しをしているのだ。

綾芽が裸なのか、それとも服を着ているのかさえ分からない。

ひょっとしたら、これはドッキリで綾芽は服を着ているのかも知れない。

黒崎はそう考えた。

「お兄ちゃん、お湯加減はどう?」

「ああ、凄く気持ちいいよ!広い湯船は最高だね!」

旅行にでも行かない限り、手足を十分伸ばせる湯船に浸かる機会は、そんなに多くはない。

ましてや使用人ともなると、自由に旅行等をする機会は殆どないのが普通だなのだ。

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