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「なんですって？貴方達はお嬢様がお作りになった手料理のご相伴に預かったと言うのですか？」

そう言いながら、葛城は写真を隅々まで見回す。

そこに綾芽が居る場所のヒントがないかどうかを知る為である。

しかし、画面いっぱいに料理が映し出されているだけで、それらしき情報は見えて来ない。

白河とて馬鹿ではない。

そう易々と情報を漏らす様な事をする訳がない。

「ふふふ…。貴方に勝てる事は一つもありませんが、これだけは自慢しても良いですよね？」

「はい。羨ましいです。一緒にお出掛けになった事も、綾芽様の手料理を私より先に口にした事も…」

ガックリと項垂れる葛城。

これは相当ショックだった様だ。

そこまでとは思っていなかった白河は、少し罪悪感を覚える。

「あと…。レッスンのご報告なのですが…」

「これ以上、私を打ちのめす気ですか？」

「ですが、一応、最後のご報告なので、聞いて頂かないと…」

「分かりました。ちょっと待って下さい。気持ちを落ち着けます」

葛城はそう言うと、冷めた紅茶を一口含んだ。