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お嬢様♡レッスン

第64章 オフの執事達Ⅳ

白河に言われて、速水が頬に手を当てると、温かい水が指に触れた。

「ははっ…。本当だ。俺、泣いてるね…」

「男が泣くなよ!振られたくらいで!」

「ってか、巽だって涙目じゃん!」

「うるせぇー、俺は泣いてねーよ!」

「はいはい。…ゴメン、今日は俺、もう部屋に帰る。部屋も片付けなきゃなんないし…」

「そう言えば僕も、ここは出なければいけないんでした…。僕も部屋に帰ります」

「えっ?ここを出るんすか?」

「うん。執事専用ってわけではないけど、恐らく家庭教師が来る事になったら、その人が住む事になるだろうから…」

「でも、僕は同じ敷地内に居るから、遊びに来ますよ?」

「マコ兄が帰って来たら、皆でお別れ会しような!」

「まだ、そんな気分じゃないけどね…。それじゃあ、お休み…」

速水は立ち上がると静かに莉玖の部屋を出て行った。

「それじゃあ、僕も」

続いて広夢が立ち上がる。

「お休みっす!」

「うん。お休み」

あちらで何かがあったのだろうが、柳瀬は余り変わらないようだった。

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