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お嬢様♡レッスン

第65章 幸せな時間(とき)

葛城は優秀な人物だと、邸の者全てが認めている。

元々、宗佑とは養子縁組の話が出ていたくらい、彼は葛城を買っている。

その葛城と孫娘が恋仲にあるのだから、宗佑も後押しするだろう。

そして、何より彼が来る事は綾芽にとっては喜ばしい事なのだ。

彼女の幸せを一番に願うと決めたではないか。

黒崎は、自分の邪な考えを振り払おうと頭を振った。

「きっとお嬢様もお喜びになるでしょう。正確な到着時刻がお分かりになりましたら、また、ご連絡を頂けますでしょうか?」

『はい。勿論です』

「それでは、お嬢様にお伝えしておきますね」

『それは待って下さい。私がそちらに参る事は、綾芽様には内緒にしておいて下さいませんか?』

「どうしてです?」

『サプライズです!』

「は?」

『女性は、そういう事がお好きなのでしょう?』

「ああ、成程。分かりました。お嬢様には内緒にしておきます」

『すみません。有難うございます』

「いえ…。あの、葛城さん?」

『はい、何でしょう?』

「お嬢様を幸せにして差し上げて下さいね!」

『私如きがお嬢様を幸せにして差し上げられるかは、分かりませんが、お嬢様の幸せを守れる様、精一杯努力致します』

「宜しくお願い致します」

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