お嬢様♡レッスン
第65章 幸せな時間(とき)
「いいよ」
「ほぇ?」
てっきり断られると思っていた黒崎は間抜けな声を上げた。
「今だけだけど…。今だけ私をお兄ちゃんの好きにして…いいよ?」
綾芽は黒崎の前に立つと、彼を見上げて、彼の目を見つめてそう言った。
綾芽も黒崎と共に過ごした時間を心と身体に刻んでおきたいと思っての言葉だった。
「綾芽ちゃん…」
黒崎は綾芽の手を引くと、彼女を自分の腕の中に閉じ込める。
彼女の首筋に顔を埋め、彼女の香りを脳に記憶させる。
そして綾芽は黒崎の腕の温かさを身体に記憶させる。
黒崎は数歩の距離ではあるが綾芽を抱き上げ、そしてベッドの上へ壊れ物の扱うかの様に優しく丁寧に彼女を横たわらせた。
綾芽の潤んだ瞳が自分を見ている。
それだけで、胸がいっぱいになる。
一昨日、突然訪れた幼馴染達の恋の終わり。
それを目の当たりにしているだけに、彼女の執事としての最後を幸せな気持ちで迎えられる事を黒崎は感謝せずには居られなかった。
「お兄ちゃん…。いいえ、黒崎。今まで本当に有難う。『私の執事』として、存分に私を味わいなさい」
「ほぇ?」
てっきり断られると思っていた黒崎は間抜けな声を上げた。
「今だけだけど…。今だけ私をお兄ちゃんの好きにして…いいよ?」
綾芽は黒崎の前に立つと、彼を見上げて、彼の目を見つめてそう言った。
綾芽も黒崎と共に過ごした時間を心と身体に刻んでおきたいと思っての言葉だった。
「綾芽ちゃん…」
黒崎は綾芽の手を引くと、彼女を自分の腕の中に閉じ込める。
彼女の首筋に顔を埋め、彼女の香りを脳に記憶させる。
そして綾芽は黒崎の腕の温かさを身体に記憶させる。
黒崎は数歩の距離ではあるが綾芽を抱き上げ、そしてベッドの上へ壊れ物の扱うかの様に優しく丁寧に彼女を横たわらせた。
綾芽の潤んだ瞳が自分を見ている。
それだけで、胸がいっぱいになる。
一昨日、突然訪れた幼馴染達の恋の終わり。
それを目の当たりにしているだけに、彼女の執事としての最後を幸せな気持ちで迎えられる事を黒崎は感謝せずには居られなかった。
「お兄ちゃん…。いいえ、黒崎。今まで本当に有難う。『私の執事』として、存分に私を味わいなさい」