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お嬢様♡レッスン

第65章 幸せな時間(とき)

綾芽にしがみつかれて、黒崎はこの上ない幸福感の中に居た。

この瞬間だけでも。

綾芽は自分の事だけを想ってくれているのを感じたから。

自分のしてきた事は間違いじゃなかった。

だから、綾芽は自分の気持ちにこうして応えてくれたのだと黒崎は思った。

そして、自分の気持ち全てを彼女の身体に覚えていて欲しいと願い、彼女を愛撫する。

舌で彼女の胸の先端を転がすと思い出す。

初めて彼女の肌に触れた時の事を。

その日の夜は、興奮して眠れなくて何度も自分で欲望を逃がした。

あの時の彼女は、まだ、男性経験もなく、身体を強張らせているばかりだったが、今はどうだろう。

快楽に素直に反応し、甘い声を戸惑う事なく上げている。

黒崎の耳はその声を逃す事無く拾い、記憶する。

掌は彼女の肌の感触を記憶する。

目は彼女の表情を脳に焼き付ける。

彼は綾芽の肌に触れる度毎に、その感触を自分の身体に刻み込む。

この幸せな一瞬一瞬を余す事なく。

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