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「後任は、数日中には決まるかと存じます。家庭教師は既に決まっております」

「そう…ですか…」

皆、自分の傍からいなくなってしまうのかと、寂しく思う。

葛城は邸を出てしまうのだろうか。

自分は全てを投げ捨てて、それについて行くべきだろうか。

瞬時にそんな事を考える。

「家庭教師は、ここに居る葛城が務めます」

「えっ!?」

「尤も、葛城さんは綾芽様の婚約者として、旦那様の下で色々と学ばなければなりませんが…。それも、問題はないでしょうね。元々、旦那様は貴方を後継者にするおつもりでい貴方を引き取られていたのでしょうから」

「それはどうでしょう？」

「本当に旦那様は残酷な方ですよ。最初から、貴方を綾芽様とくっつけるおつもりだったんですから。私達は当て馬ですよ！」

「それは、違うと思いますよ？お嬢様から見て私なんかオジサンです。そんな年齢の男がお嬢様の婚約者だなんて、可哀想でしょう？」

「何ですか、その『オジサン』に私達の様な若者が負けたとでも仰りたいんですか？」

「えっ！そんなつもりはないですよ？」

「貴方はいつも、そうやってすっとぼけてますけどね───」