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お嬢様♡レッスン

第67章 サプライズ!?

「でも、そんな『物』だなんて…」

「必要以上に心を通わせれば、何かあった時にお互いが傷付きます。私が貴女に踏み込めなかったのは、私が使用人であったのもあります」

「ひょっとして、家令を辞めたのは…?」

「そうです。示しがつかないんです。私が家令のまま、貴女とお付き合いをすると」

「家庭教師は違うんですか?」

「私の場合は、家庭教師と言うよりも、お付き合いをさせて頂く『ついで』なんです。貴女を他の人に任せたくない。唯の私の我侭を旦那様が聞いて下さっただけなんです」

「そうなんですね」

「嫌ですか?」

「そんな訳ないでしょう!?」

「良かった…」

ホッと息を吐き出し、葛城は綾芽をギュッと抱き寄せた。

葛城の腕に包まれて、綾芽は幸せな気分になった。

今は、他の事は考えたくない。

葛城と一緒に居られる幸せだけを感じていたい。

我ながら現金だと思いながらも、綾芽は葛城の胸に身体を預けた。

「…ん?」

葛城が、スンスンと鼻を鳴らす。

「どうかしましたか?」

「心なしか玉葱の匂いが…」

「あああああ!」

葛城の指摘に、綾芽はある事を思い出し立ち上がった。

食事を作っている最中だったのだ。

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