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お嬢様♡レッスン

第68章 葛城のイチャラブ計画Ⅰ

子供の様に甘えて来たと思えば、急に大人の色気を醸し出す。

そんな葛城を『狡い』と思う。

まだまだ、男性と言うものを勉強中の綾芽は翻弄されっぱなしだ。

しかし、彼女もまた彼を翻弄している事を彼女自身は気付いてはいない。

二人は、食べさせあいながら食事を済ませると、一緒に洗い物を片付けた。

(よくお父さんもお母さんの隣に立ってお皿を拭いてたっけ…)

そんな事を思い出す。

常に相手を思いやっていた両親。

時々、二人の仲が良過ぎて入っていけない事があった。

それを寂しく思っていると、二人は直ぐにそれに気付いてくれ、綾芽をちゃんと仲間に入れてくれた。

幸せだったあの頃。

でも、自分も二人の様な幸せを新たに築いて行くのだ。

この人と。

綾芽は葛城を見て微笑んだ。

葛城も綾芽を見て微笑んでくれる。

二人はどちらからともなく顔を寄せると、軽く触れ合うだけの口付けを交わした。

甘い。

綾芽はそう思う。

心が満たされた口付けは、こんなにも甘い物なのかと。

「ふふっ。デザートは綾芽様の唇が一番ですね?」

「え?」

「貴女の唇はとても甘くて…もっと欲しくなってしまいます…」


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