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お嬢様♡レッスン

第73章 夕陽

「これは葛城さん。お久しぶりです」

「はい。ご無沙汰しております。宜しくお願いしますね」

「はい。こちらこそ。それで、そちらの方が会長の…?」

「ええ、お孫さんの綾芽様です」

「初めまして。綾芽と申します。以後、お見知りおき下さいませ」

綾芽は挨拶をすると、手を差し出す。

「こちらこそ、お会い出来て光栄です」

船長も挨拶を返しながら、彼女の手を取り、その手の甲に口付けた。

とても紳士的な人である。

「それにしても、よくこんなに早く許可が下りましたね」

葛城も船長と握手を交わしながら、話し掛ける。

「ははは。それは会長のお力でしょう」

「本当にとんでもない方ですよ」

そう言うと、葛城は溜息を一つ零した。

綾芽の為であろうが、船の燃料費は馬鹿にならない金額だ。

車に比べると燃費が悪いのである。

きっと手配したのは、高月であろう。

綾芽の為ならば何とも思わないのであろうが、自分が同乗しているとなると、後で何を言われるか分からない。


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