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お嬢様♡レッスン

第73章 夕陽

小言や皮肉に一つ、二つは覚悟しなければと葛城は思った。

「それでは、そろそろ出港致します」

そう言うと、船長は船室へと上がって行った。

船員達も、それぞれの持ち場へと散って行く。

船は港を出ると、太平洋へ向かって進む。

綾芽は、船尾の方へ行き、船が描く白波の跡を見ながら、この数日間の事を思い出していた。

新幹線の中で、他の乗客に注意された執事達。

そう言えば、その中で速水にエッチな悪戯をされた。

皆で食べたバーベキューや、調査に出かけた事。

白河と浜辺で身体を重ね、その夜に速水達に悪戯をされ、役目を外した事。

それを思い出すと、胸が痛む。

初めて黒崎と身体を重ねた事。

彼は本当に優しかった。

そして、葛城が来てくれた事。

(何だか、エッチばっかりしてるかも…)

そう思うと、綾芽の顔に熱が集まるが、風が彼女の熱を冷ましてくれた。

「こんな所にいらしたんですね」

船員達にも挨拶して回っていた、葛城が甲板へ姿を現した。

「寒くないですか?」

そう言うと彼は、綾芽を覆う様に後ろから抱き締める。

「大丈夫ですよ?」

綾芽はそう返すと、自分の身体に回された葛城の腕に手を重ねた。

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