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お嬢様♡レッスン

第73章 夕陽

「本当に可愛らしいお嬢様ですね」

船長が葛城に耳打ちする。

「そうでしょう?でも、邪な気持ちを持ってはいけませんよ?」

「はいはい。存じております。葛城さんの良い人なんでしょう?」

「古い言い方をされますねぇ…」

「すみませんね。古い人間ですから」

そう言って笑う船長。

彼は現在、東乃宮グループが主催するディナークルーズ船の船長をしているが、その前は海外を回る客船の船長をしていた事もある。

言わばエリートだった。

その彼が操舵する船は四国を迂回し、一路北東へと向かう。

見渡す限り、海。

そして微かに陸地が見える。

「船から見る夕日は格別ですよ?」

船長がそう言うと、綾芽は目を輝かせた。

「まだ、時間はあります。それまでお部屋でゆっくりされては如何ですか?」

そう提案され、二人は部屋で過ごす事にした。

居室はホテルのセミスィート並の広さがあった。

「凄い豪華ですね…」

ダークブラウンの木目調の壁に、調度品。

照明はアンティーク。

カーペットは深いグリーンで落ち着いた感じの部屋だ。

宗佑の趣味なのだろう。


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