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お嬢様♡レッスン

第74章 星空の下で

葛城は、綾芽が自分に勝てない事は最初から分かっていた事だった。

年齢から来る経験値、そして受けて来た教育。

葛城は宗佑に見込まれて、東乃宮の総裁の右腕になるように、長年仕込まれて来たのだ。

彼に弱点があるとするならば、それは綾芽だけである。

その事に彼女が気付いたならば、葛城に勝ち目はなくなる。

しかし、彼女の性格上、それに気付いたとしても、それを武器にする事はないかもしれないが。

「そろそろディナーのお時間ですね。一旦部屋に戻って着替えてからお食事を頂く事にしましょう」

そう言うと、葛城は立ち上がり綾芽の手を取って促す。

綾芽は、彼に手を引かれて部屋に戻ると、ディナーの為のドレスに着替えた。

ドレスは、宗佑が用意してくれていた様だ。

「何も、二人だけなのにわざわざ着替えなくても…」

「これもレッスンの一つですよ。船で旅行をする際のマナーや過ごし方のお勉強です」

「成程。そうだったんですね」

「残念な事に、ショーはないですけどね?」

「二人だけなのに、そこまであったら驚きますよ」

「旦那様の事ですから、綾芽様を喜ばせる為でしたら、そこまでなさりそうですけどね」


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