お嬢様♡レッスン
第74章 星空の下で
葛城は、綾芽の手を取ると、折り曲げた自分の肘にその手を掛けさせる。
「では、参りましょうか?」
「はい」
二人がダイニングに向かうと、入口で船長が迎えてくれた。
「今晩は。お二人共、素敵ですね。特にお嬢様は先程とは雰囲気が違い、とても大人っぽくてお綺麗です」
「船長、あまり綾芽様をジロジロと見ないで頂きたいですね」
「おや、嫉妬ですか?東乃宮の家令までお勤めになった、冷静沈着な貴方が珍しい」
「今は唯の『綾芽様に夢中な男』です」
「………」
葛城の言葉は嬉しいが、余りにも堂々と言われて恥ずかしさに綾芽は俯いた。
想いを確認する前は、好意的ではあるが、恋の対象として見られているのかが、彼の態度からは判断出来なかった。
しかし、いざ、恋人同士になってみると、ここまでオープンに好意を口にされると照れ臭いと言うか、恥ずかしい。
綾芽はそう感じていた。
でも、嬉しい物は嬉しい。
葛城にしてみれば、気持ちを明確に態度に現さなかった事で、綾芽を失いかけた事が、今の態度へ反動となって出ただけなのだが。
素直に自分の気持ちを周囲に示す事で、彼女の不安を取り除き、そして牽制が出来ると考えての事だった。
「では、参りましょうか?」
「はい」
二人がダイニングに向かうと、入口で船長が迎えてくれた。
「今晩は。お二人共、素敵ですね。特にお嬢様は先程とは雰囲気が違い、とても大人っぽくてお綺麗です」
「船長、あまり綾芽様をジロジロと見ないで頂きたいですね」
「おや、嫉妬ですか?東乃宮の家令までお勤めになった、冷静沈着な貴方が珍しい」
「今は唯の『綾芽様に夢中な男』です」
「………」
葛城の言葉は嬉しいが、余りにも堂々と言われて恥ずかしさに綾芽は俯いた。
想いを確認する前は、好意的ではあるが、恋の対象として見られているのかが、彼の態度からは判断出来なかった。
しかし、いざ、恋人同士になってみると、ここまでオープンに好意を口にされると照れ臭いと言うか、恥ずかしい。
綾芽はそう感じていた。
でも、嬉しい物は嬉しい。
葛城にしてみれば、気持ちを明確に態度に現さなかった事で、綾芽を失いかけた事が、今の態度へ反動となって出ただけなのだが。
素直に自分の気持ちを周囲に示す事で、彼女の不安を取り除き、そして牽制が出来ると考えての事だった。